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投稿日:2024年11月17日

[09]シラチャー神社で開催!


さて、いよいよ最後の開催です。

実は今回、タイのプロジェクトで個人的に非常に興味深かったのが、最後の訪問先。

そう、タイにある神社、シラチャー神社。


私もタイに神社があるとは知らなかったですし、実際、どのような感じなのか、いろいろと学ぶ良い機会になりました。

まず、このシラチャというのは、滞在する日本人が多い都市の名前で、約6,000名もの日本人が住んでいらっしゃるようです。

確かに、アメリカのグアムやブラジルのサンパウロにも神社はありますが、いずれも日系人が多く、そういう意味ではこのあたりの流れを踏襲したものと言えるでしょう。

しかし、建立そのものは2022年と非常に新しいので、そのあたりは現代の事情を反映した珍しい事例になるのかもしれません。

実際、こちらの神社は阿部さんという総代が相当尽力し、建立に至ったそうで、自己資金の大半を使い、おおよそ、5,000万円の費用がかかったといいます。

社殿にも立派なしめ縄が飾られ、聞くと、出雲の組合から譲り受けたと言い、社殿はビルの一角を改修されたものとは言え、その随所には阿部さんの強いこだわりが見える。


さらに、表の通りには巨大な鳥居が構える。

これ、なかなかできませんよ。

なぜなら、道路の敷地は市の所有だからです。

つまり、海外の都市に日本の宗教的な建造物が建立されたわけです。


もちろん、私たちからすれば、神社は宗教という認識はありませんが、海外でもそうとは限らないわけで、ここまで来るのに、やはり相応の努力があったようです。

そして、その根底には、率先して、街の発展に貢献し、その信頼があったからこそ、市もこの取り組みを全面的に支持してくれたそうです。

今回、訪れた時は、東京の八王子市にある単立の神社さまから宮司さんがいらっしゃって、現地日系人向けに七五三の儀を取り計らっておりましたが、今では地元の日系社会からも大きく支持を受け、営まれている。

阿部さんに「なんで、建てようと思ったんですか?」と聞いたら、「元々はタイで神輿が担ぎたかった」というのが始まりだったんだとか。

実際、社殿の奥には神輿が置いてある。


そこがスタートで、今では近いうちにもう一箇所ご分霊を移し、建立する予定だという。

阿部さん曰く、「ぶっちゃけ、赤字ですが、日系社会の拠り所として機能できれば。私もこのシラチャーに骨を埋める覚悟で頑張ります」と。

そう、その覚悟があるからこそ、成立する、海外における神道の可能性を今回、私も一つ学んだ気がする。

社殿の側面には魚を模したぬいぐるみが数多く飾られている。

見るとそこにはみなタイ語が記されている。

そう、日本で言うところの絵馬だ。

港湾という地域ならではのもので、日本人のみならず、タイの方々もここで日本の神社の風習を体験する。


非常に興味深い事例ですね。

ひとまず、こちら御朱印を頂きました(笑)。


現在、こちらシラチャーと姉妹都市を提携してくれる国内の市町村を探しているということで、もし、こちらにピンと来るものがありましたら、私にご連絡をくださいませ。

日本の駐在の多いこの街が神社を含めてさらに結びつけば、さらに深い人的交流が図れる面白いモデルになると思いますよ。

私も地元の区長に相談してみようかなぁ。

と話は長くなりましたが、今回は正式参拝からスタート(もう、タイではない感じ:笑)。

非常に多くの方たちが集まり、楽しくしめ縄プロジェクトを迎えることができました。


ひとり、高野山へ行かれる方がいて、4年ほど修行に行って、真言宗系の神社を建てたいとおっしゃっておりました。

神社とお寺の違いはまだ分かっていらっしゃらないかもしれませんが、日本とタイの架け橋を臨むタイの方にも会えて、とても楽しかったです。


ということで、非常に充実したタイ・プロジェクトでした。

タイは距離的にも遠くないですし、来年以降ももしかしたら続くかもしれません。

いや、続けられるよう私もいろいろと考えて参りたいと思います。

皆様、本当にありがとうございました。

東條

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